住宅ローン不正利用の防止 ③なりすましも登場(ワルと貸し手のイタチゴッコ)

■ 今回のポイント

  • 路上生活者に近づいて本人証明書面を手に入れ、本人になりすまして堂々と悪事を働くワルもいます。
  • 巧妙な悪事のカギとなるのは本人の写真が貼付されているはずの運転免許証であり、再発行申請時に別人の写真にすり替えてなりすまします。
  • 運転免許証の末尾桁が「0」でない者については若干の”懐疑心”をもって審査に臨むことをお勧めします。

③なりすましも登場

住宅ローン不正利用防止シリーズの最終回は、前回の公的収入証明書正規取得に輪を掛けた犯罪行為の紹介です。

最近はアベノミクス効果が少し出て来ているのか路上生活者の問題が報道を賑わすことが少ないように思いますが、リーマンショック直後は社会問題になっていたことを記憶されている方も多いと思います。

心底ワルの輩はこの路上生活者に目を付けました。路上生活者は何かのきっかけで路上生活を送ってはいますが、もともとはサラリーマンであったり自営業者であったりしたわけで、住民登録もされていますし、運転免許証や(国民)健康保険証を持っている人も多いのです。

ワルはこれら路上生活者Aに近づいて、まずはAに○○万円が手に入る話を持ち掛け、所持している運転免許証を本人確認書面として住民登録している市町村から住民票抄本の発行を受けるとともに印鑑証明手続きを行わせます。ここまではA本人に手続きをさせるのです。

次いで、運転免許証と健康保険証、年金手帳、住民票抄本などをA本人から買い取り、運転免許証を破棄した上で、残りの書面(いずれも写真入りではない)を本人確認書類として、別人BがA本人になりすまして運転免許証の再交付申請をします。これでなりすました別人Bの写真が貼られたA名義の運転免許証が再発行されるので、BはあたかもA本人として堂々とワルさができることになります。

多くの場合、路上生活者は実在人物ではあっても世捨て人状態で親族・知人にとっても消息が絶たれているため、犯罪者にとってはその名義が使えるのはワルグループの素性を知られないために好都合なわけです。

ここから先は、前回ご紹介したとおり正規の公的証明書を不正に取得して住宅ローン手続きを進めるのです。こうなると後追いでの調査すらままならないので、警察の手を煩わせなければ真相が掴めないまま時が過ぎることになります。

この手口を使われた場合に、審査途上で不正の匂いを嗅ぎつけられる手掛かりがあるとすれば、再発行された運転免許証です。もちろんそこに貼付されている写真を凝視しても、窓口に来ている人物は同一人物ですから手掛かりにはなり得ません。手掛かりは運転免許証番号の末尾の桁の数字です。

この数字は再発行実績がない免許証の場合は「0」です。1回再発行されると「1」、2回目の再発行だと「2」という具合に、再発行回数を重ねるごとに数字が増えていくのですが、皆さんは運転免許証を紛失・盗難した経験がありますか?

多くの方は紛失・盗難した経験はゼロであり、経験があったとしても1回が大半でしょう。でもワルグループはなりすまし免許証を使って短期間に建売・中古住宅と云ったローン実行までの足が速い住宅ローンを地域を変え、申込み金融機関を変えて水増価額で申込み、水増分を詐取してトンヅラします。そして、いつまでもBになりすましを続けさせると免許証コピーから面が割れて捜査の手が近づいてくるので、B免許証からさらになりすましたC免許証の再発行を受けて再犯に及ぶこともあるようです。

このことから、運転免許証も形式的な本人確認のためだけではなく、免許書番号末尾が「0」以外の場合は頭の片隅に若干の”懐疑心”をもって審査に臨むことが肝要でしょう。

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