住宅事情と住宅政策の変遷 ② 住宅政策は数から質へ

■ 今回のポイント

  • 昭和40年代を通じて住宅着工戸数は急激に伸び、マクロ的には住宅数>世帯数が実現しました。
  • 昭和50年代中盤以降は、耐震、省エネなど政策的にも住宅性能の向上が継続して図られ、良質なストックを形成しています。

住宅事情と住宅政策の変遷 ② 住宅政策は数から質へ

政府が住宅施策を展開し住宅着工戸数が増え始めてもなお、経済成長と世帯増加が逃げ水作用となって、衣食に比して住宅事情の改善が遅れた状態が続きます。そこで、昭和40年代初頭からは5年ごとの住宅建設計画において民間住宅・公的住宅別の住宅建設戸数目標を定めて建設促進施策を打ち出すこととなりました。その結果、昭和40年代を通じて住宅着工戸数は急激に伸び、マクロ的には住宅数>世帯数が実現することになります。

住宅着工戸数

住宅数が世帯数を上回ると、今度は住宅の広さや質が問題となってきます。第3期住宅建設五か年計画(昭和51~55年度)では、すべての国民にとって達成すべき水準として最低居住水準(4人世帯で50㎡)が定められました。

相前後して昭和54年にEC(ヨーロッパ共同体)の内部報告「対日経済戦略報告書」で日本の住宅事情を「ウサギ小屋」と称された(日本側の解釈に誤解もあったようですが)ことは、「エコノミック・アニマル」と並んで日本と日本人を象徴する流行語として国民的な話題になったところです。

また、昭和40年代から本格化し始めていたマンション供給でも、昭和50年代中盤には東京都心部にいわゆる「億ション」が登場するなど、旺盛な住宅需要が金融の金余りとその向かう先としての不動産投資機運に支えられて徐々にバブルの様相を呈していきます。

一方で昭和50年代中盤以降は、耐震、省エネなど政策的にも住宅性能の向上が継続して図られた結果、最近30年間に建てられた住宅の多くは、それ以前の住宅に比べて可用年数(耐用年数)、断熱等の住宅性能とも格段に良質なストックを形成しています。
この可用年数、住宅性能面の進化は、住宅設備面での進化と併せて現在も進行しています。

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