住宅ローンの審査はどのように行われているのか? ① 審査とは?


■ 今回のポイント

  • 住宅ローン審査は、返済時のデフォルト率をなるべく下げるために行います。
  • 住宅ローン審査は、「申込内容の正当性」に加え、各金融機関独自の「経済的・社会的属性の審査」を行います。
  • 「経済的・社会的属性の審査」は、金融機関のノウハウの塊であるので、システム化されるケースが多くなっています。

①審査とは?

住宅はエンドユーザーにとっては人生最大の買い物です。一般的には年間収入の4~5倍に及ぶ資金が必要となりますので、オールキャッシュで買える方は3割前後、残り7割前後の方は長期ローンを組むことになります。
貸し手である金融機関にとっては、長期にわたって運用収入があるとはいえ、その間にお客様が失業・減収・死亡などのアクシデントに見舞われたり、浪費癖があったり、稀には詐取目的での申込みであったりなどして返済不能(デフォルト)状態になれば、融資金の回収が不能ないし困難になります。

そこで各金融機関(実際には保証機関)では、店頭あるいはパンフレット・ホームページなどで明記されているローンの申込条件だけではなく、申し込まれたお客様の経済的・社会的属性やクレジット、個人ローンなどの利用状況、取得される物件に関する事項などを、個別機関ごとに非公開の審査基準に従って審査しローン可否を判断しています。これら一連の行為が住宅ローン審査です。

住宅ローン審査は、フラット35を除く住宅ローンでは一般的に金融機関系列の保証会社が担っている場合が多く、フラット35では金融機関本体による融資審査と住宅金融支援機構による債権買取審査の2本立てとなっています。

審査の対象となる属性項目は、申込みの際に提出する申込書内容とその内容を証明するエビデンスで構成されており、主な項目を挙げれば次のとおりです。

    【申込書記載事項】
      申込者本人氏名  現住所  生年月日  現住所電話番号  家族構成
      勤務先名称  勤務先住所  勤務先電話番号  勤務先での役職等  勤続年数
      年間収入  取得物件名  取扱業者  業者連絡先  取得物件価額
      取得物件の権利関係  借入希望額  資金計画(手持金、その他借入金、受贈金など)
      すでに抱えている借入金  など
      
    【エビデンス】
      過去2,3年分の源泉徴収票・公的収入証明書  本人確認書類(運転免許証の写しなど)
      購入物件パンフレット・請負契約書等  保証委託申込書
      団体信用生命保険加入の告知書  個人情報利用に関する承諾書  など

審査の手順は各金融機関・保証会社が独自に構築していますが、一般的にはまず本人確認、勤務先確認、申込書記載事項と添付されたエビデンス(証明書)の照合及び団体信用生命保険告知書審査が行われます。

そもそも本人ではないとか勤務先が実在しないなどであればその時点で否決ですし、申込書記載事項とエビデンスの内容が一致しなければ(収入額が相違している等)不整合の理由が問われ、合理的な説明が出来なければ否決となります。(本人確認や勤務先の確認は、提携事業者からの案件持込みであれば当該提携事業者が担っている場合が多いです。)
また団体信用生命保険の告知内容が加入謝絶事由に該当すると、フラット35以外のローンでは借入資格がありません。

ここまでは、お客様の経済的・社会的属性の審査と云うより申込み内容の正当性を確認(不正申込みを防止)する審査であり、各金融機関及び提携生命保険会社による窓口対応、郵送等のアナログ的な審査事務です。

ここから先は保証機関(フラット35の場合は取扱金融機関・住宅金融支援機構双方)の経済的・社会的属性審査となり、メガバンク及び地方銀行の多くではいわゆる審査システムによる審査が中心となっています。

まず、個人信用情報照会で個人信用情報機関に専用回線でアクセスして借入実績、クレジット利用実績、返済状況、デフォルト実績などを入手し、審査システム上に照会結果を展開します。健全でなければ審査上重大なネガティブスイッチが入ることになります。
  

次に、本格的な属性審査となります。
申込条件としては返済負担率(収入に対するローン返済負担の割合)がパンフレット等に記載されている割合以下であっても、収入の安定性や家族構成・ライフステージからみて返済可能か否か、物件価額(請負金額)が適正な範囲内か否か、取扱事業者に信頼がおけるか否か、自行との取引実績がどの程度あるお客様か、自行に給与振込口座を持っているか、さらには住宅取得後の住所から勤務先までの通勤時間なども審査の対象となる場合があります。

お客様には見えにくいのですが、この属性審査こそ、各金融機関がどのような客層までを取りに行こうとしているのか、どの程度の知見の蓄積を反映しているのかにより微妙にさじ加減が違ってくる、さらに営業スタンスにまで影響を及ぼすノウハウの塊ということになります。

このような属性審査は、現在住宅ローンで主要なプレーヤーとなっているメガバンクや地方銀行の多くが審査モデルを構築してシステム化を実現しています。

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